晴れの国から旅まち巡り

岡山に移住した三重県人によるブログ。岡山を中心に旅やグルメの記録を発信。

【瀬戸内国際芸術祭2016】犬島

瀬戸内国際芸術祭の春会期中は、毎週のように島へアート巡りに出かけていました。今回紹介する犬島は、岡山市にある唯一の有人島です。

直島と同じく、ベネッセが手がけたアートプロジェクトが点在しています。芸術祭の会期中でなくても鑑賞が可能なので、ぜひ今後の旅の参考にどうぞ。

 

目次

 

宝伝港~犬島港

市内ということで、もちろん日帰り。今回も平日のため車で宝伝港へ。岡山市中心部からは渋滞がなければ40分程度です。

有料駐車場(500円)に停めて、船が出るまで港の周りを散策しました。

フェリー乗り場近くにある、案内所。地図やパンフレットをもらえます。


昔ながらの家と水路のある路地。


のどかな港町。天気も良く、既に島にいるかのようなゆったりとした空気が流れていました。


11:00発のフェリーで犬島へ。小さな船のため平日でも席はいっぱいになっていました。運賃は片道300円。10分程度であっという間に到着します。

犬島港に近づくと見えてくるのは、チケットセンター。アート施設のチケットやグッズがこちらで買えます。海の見えるカフェも併設。島民と共同開発したオリジナルメニューには、犬島や近隣の食材が使われているとのこと。
犬島アートプロジェクト チケットセンターカフェ - 西大寺/カフェ [食べログ]

コインが返却されるロッカーがあるので、上着や荷物を預けておくのに便利です。

乗ってきた小型旅客船。


犬島は良質な花崗岩が採れることから、かつては全国各地へ石が運ばれ、大阪城築城にも使われていました。海岸沿いには大きな岩がごろごろと。

また、島内にはところどころ池があり、採石を行っていた跡がうかがえます。深さ20mを超えるところもあるそうです。

春の陽気が気持ちいい。 

小さな路地を通って、まずは「家プロジェクト」へ向かいます。



犬島「家プロジェクト 」

家プロジェクトは、アーティスティックディレクター・長谷川祐子と建築家・妹島和世が犬島の集落で展開するプロジェクトで、現在の展示テーマは“桃源郷”。F邸からI邸までのひとつづきの旅で、「ビックバン」「知覚の冒険」「光景浴」「瞑想」などを体験してほしいとの意が込められています。

犬島の集落に「日常の中の美しい風景や作品の向こうに広がる身近な自然を感じられるように」との願いを込め、2010年、企画展示を目的とした3つのギャラリー「F邸」「S邸」「I邸」と「中の谷東屋」を公開。2013年、新たに2つのギャラリー「A邸」「C邸」が加わり、それぞれのギャラリーと集落内に作品を公開します。集落に点在するギャラリーは、かつて建っていた民家の瓦屋根や古材、透明なアクリル、周囲の風景を映し出すアルミなど多様な素材でつくられています。
犬島「家プロジェクト」 | アート | ベネッセアートサイト直島より


庭にたくさんの花が植えられていて、きれいに咲いていました。
近くには素敵な古民家カフェがあります。  

www.harenokunikara.net

 

I邸/プレーンミラー/リバース 小牟田悠介

 

建物の中にうっすら見える黄色いネットは、ハンモックのようになっていて実際に腰掛けたり寝そべったりすることができます。 

C邸/エーテル 下平千夏

 

ウサギ型の椅子。

中の谷東屋 妹島和世

 


A邸/リフレクトゥ 荒神明香

 

S邸/コンタクトレンズ 荒神明香

  

石職人の家跡/太古の声を聴くように、昨日の声を聴く 淺井裕介

 


F邸/Biota (Fauna/Flora) 名和晃平

 

F邸そばにあった山神社。精錬所美術館の方からも見えて、島の高いところにあり目を引きます。古くから採石場の守り神として、採石業者の信仰を集めていました。神社の裏手には大灯篭の跡があり、灯台の役目をしていたようです。

海へと続く道。 

チケットセンター近くまで戻ってきました。 

花崗岩とコバルトブルーの海。コントラストが絵画のよう。



犬島精練所美術館

いよいよ、精錬所美術館へ。近代化産業遺産である銅精錬所の一部を活用して作られたもので、敷地内に残る精錬所の跡だけでも十分見応えがあります。廃墟好きな人の気持ちがよくわかりました(^^)

犬島精錬所美術館は、犬島に残る銅製錬所の遺構を保存・再生した美術館です。「在るものを活かし、無いものを創る」というコンセプトのもと作られた美術館は既存の煙突やカラミ煉瓦、太陽や地熱などの自然エネルギーを利用した環境に負荷を与えない三分一博志の建築と、日本の近代化に警鐘をならした三島由紀夫をモチーフにした柳幸典の作品、また植物の力を利用した高度な水質浄化システムを導入しています。「遺産、建築、アート、環境」による循環型社会を意識したプロジェクトといえます。
犬島精錬所美術館 | アート | ベネッセアートサイト直島より

 

美術館は家プロジェクトと共通のチケットで2,060円。チケットセンターに行列ができていたのですが、芸術祭パスポート利用のためスムーズに入れました。直島と犬島の両方行けるようなら元が取れるし、購入しておくと便利です。チケットを現地で買う場合は、フェリーが着いてすぐは混むので、少し周囲を散策して時間をずらしてからにするといいかもしれません。

入口には、危険な個所もあるため見学は個人の責任でお願いします、ということが書かれていました。

美術館内の撮影は不可ですが、周囲の建物の跡などは自由に見学、撮影ができます。 


よく見るとトイレの入口。建物と調和するデザインになっています。

トイレの水は直接海に流すのではなく、植物の力を借りて水を浄化する水質浄化システムを利用し、その水で瀬戸内の気候に適した樹木を育てているそうです。

精錬所カフェのテラス席。


どこを切り取っても、見ていて飽きることがありません。

カラミ煉瓦の色と、海や木々の色が不思議とよく合います。


ここからの眺めがいちばん印象的でした。
まさにラピュタの世界。

発電所の跡。


精錬所の周りにも、花崗岩と思われる大きな岩がたくさんありました。 岡山側の陸地がすぐ向こうに見えます。

港の食堂近くにいたワンコ。



15:35発のフェリーに乗り、帰路につきました。途中カフェに寄ったり食事をしたりしましたが、3時間もあれば十分見てまわれると思います。

アクセス

岡山から犬島へは宝伝港利用が便利です。会期中は岡山駅から宝伝港への直行バスを利用するといいでしょう。平日は駐車場もさほど混まないので、移動時間が短くて済む車の方がおすすめです。バス・電車・船ともに本数が少ないため、スケジュールには余裕を持ってお出かけくださいね。

会期中の船とバスの時刻表:路線バス(両備バス)のご案内

 

■バス
岡山駅バスターミナルから両備バスで西大寺バスセンター行き乗車(約30分)
西大寺バスセンターで両備バス宝伝行きに乗り換え「西宝伝」下車(約35分)
宝伝港(船乗り場)まで徒歩3分。定期船で犬島まで約7分。

芸術祭会期中と、会期外の4月~11月の土日祝限定で、岡山駅から宝伝港への直行バスが出ています。


■JR
岡山駅から赤穂線西大寺駅下車(約18分)
西大寺駅で両備バス宝伝行き「西宝伝」下車(約30分)
宝伝港(船乗り場)まで徒歩3分。定期船で犬島まで約7分。


■マイカー
●岡山方面から
県道28号線(岡山・牛窓線)を南へ→神崎交差点を左折→宿毛交差点を右折、県道 234号線(東片岡・宿毛線)を南へ。宝伝港(有料駐車場あり)から定期船で7分。

●姫路方面から 
岡山ブルーライン・邑久ICから県道39号線(備前・牛窓線)経由、宝伝方面へ。宝伝港(有料駐車場あり)から定期船で7分。 

 

宝伝港の他、直島・豊島からの航路もあります。岡山以外からのアクセスについてはこちら:主要都市から島へのアクセス | ベネッセアートサイト直島

開館日やチケット等、詳細はこちらから見られます。
犬島「家プロジェクト」 | アート | ベネッセアートサイト直島
犬島精錬所美術館 | アート | ベネッセアートサイト直島

 

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